ボディーガードにモノ申す!
すると、真山からは意外な言葉が返ってきた。
「いや、言わないよ。俺は君のことを誤解してた」
「……誤解?」
珍しく神妙な面持ちで話す彼は、訝しげな私と目を合わせたあとすぐに逸らした。
「弱い振りをしているいけ好かない気の強い女だと思ってたんだ」
………………え、ここに来て貶すの?
虚しくなるんですが。
「だけど、どうやら逆らしい。強い振りをしているだけだって、ようやく分かったよ。そうだろ?」
思わぬことを言われ、一瞬本当にそのセリフを真山が言ったのかと目を丸くしてしまった。
今この人、私の胸の内を探っている?
どきりとして、でもそれを知られたくなくてとぼける。
「何よそれ。私は見たまんまの性格だよ」
「じゃあ俺が正しいんだな」
「勝手に弱いとか決めつけないでくれます?」
「非を認めたっていうのに、可愛くないな。素直に言えばいいのに」
「はいはい、私なんて可愛げも無いし部屋も汚いし干物女だしオヤジですよ」
「オヤジ女子、じゃなかったのか?」