ボディーガードにモノ申す!
8、 今さら認めても、もう遅い。


朝、いつもより早く家を出た。


部屋の片付けはほとんど終わり、あれだけ散らかって汚かったリビングは見違えるほど綺麗になった。
やれば出来るのだ、本当は。


早番のシフトなので、いつもの時間に出れば問題無かったけれど。
今日は少し時間を早めた。


理由は、杉田さんに会わないため。


別に彼を疑っているわけではない。
だけど昨日、真山が「怪しい」なんて言うから、念のため時間をずらしたのだ。


杉田さんとは毎日会うことはない。
あくまで私が早番の時のみ家を出るタイミングが一緒なだけで、遅番が続いたり連休が重なると1週間近く会わないこともしばしばだ。


そして、もう1人。
こちらは休みの日以外はほぼ毎日通っていたカフェで働いている、バイトの貝山くん。


彼のことも真山が「怪しい」と言うので、一応避けるためにお店には寄らないことにした。


本当はあの苦いコーヒーを飲むことで「今日も1日仕事頑張ろう!」と思えていたはずなんだけど。
今の状況を考えると、そうも言ってられないし。


この2人のどちらかが私を襲ってきた不審者だったなんて信じたくない。
でもそれ以上に真山の言葉を信じてみようかとも思い始めていた。


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