ボディーガードにモノ申す!
コンビニでホットコーヒーを購入して、飲みながら職場へ向かう。
いつもより少し早いというだけで電車の混み具合も微妙に違って感じたし、道を歩く人の流れもどこか違う気がした。
たまには時間を変えてみるのも、気分転換になっていいかもしれない。
お店に着いて、開店準備を始める。
店頭を整理し、乱れたところは綺麗に直し、新商品を陳列する。
橋浦さんからの申し送りメモがカウンターに貼られていたので目を通した。
店長の彼は、今日は展示会に行くらしい。
うちのお店はセレクトショップなので、ブランドごとに開催する展示会に細かく足を運ばなければならない。
そのブランドによって時期は様々だが、月に1回行うところがほとんどである。
橋浦さんはそこでいつも買い付けオーダーをしてくる。
よって、今日は私と佳織ちゃんの2人での仕事となるわけだ。
彼女は遅番でやって来ることになっていた。
ボディーの服を替えたり、ディスプレイを変更したりしているうちに開店時間になり、音楽をかけてドアのロックを解除。
無事に開店させた。
私はなるべく平静を装い、いつもの日常、いつもの仕事、いつもの態度で過ごしているつもりだった。
昨夜のことはなるべく考えないようにしているのだ。
あの、ワケの分からない真山の微妙なキスを打ち消すがごとく。