ボディーガードにモノ申す!


「でも出会い方が最悪だっただけに、あとは知れば知るほどプラスにしかならないからいいですよね〜」


何気ない佳織ちゃんの言葉に、私は思わず「え?」と目を見開いた。


「だってそうじゃないですか。きっと彼も同じですよね。椿さんのことオヤジ呼ばわりしてたから、内面を知ったらそれだけじゃないって分かるわけだし。今が一番楽しい時期ですね」


得意げに話す彼女の顔を見て、そうだったと思い出した。
昨日の、真山のセリフを。


「俺がこういうことをしたくなるということは、君はオヤジではなくオヤジ女子ってことだ」


キ、キ、キ、キスもどきをしてきたんだった。
思い出さないようにしてたのに、思い出してしまった!
佳織ちゃんのバカ〜!


「あれ、椿さん?顔真っ赤ですよ?大丈夫ですか?」


私の紅潮した顔に気づいた佳織ちゃんが心配そうに眉を寄せて、熱でもあるのかと手のひらを私の額に当ててきた。


違うわいっ。
いい年こいてヘビの生殺しみたいなキスにうっかりドキッとしちゃったんだよ!


……と口には出せないので、大丈夫よ〜と答えつつ彼女の手をそっとどけた。


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