ボディーガードにモノ申す!


だけど、だけど。


なんだか私の心は晴れなくて。
話をしていても気づいたらボーッとしてしまって。


どうして担当が変わることを、真山は言ってくれなかったんだろうって考えていた。


昨日も一昨日も、いくらでも私に話した出すチャンスはあったはずなのに。
今日はどんな顔して彼に会おうと悩んでいた自分がバカらしくなってしまった。


「和代さん、ちょっと聞いてもいいですか?」


駅のホームで電車を待つ間、私は隣にいる和代さんに尋ねてみた。


「なぁに?」

「真山さんは、今何をしてるんですか?他の人のボディーガードとかしてるんですか?」


また彼に担当を戻して欲しいなんてそんなことを言うつもりは無い。
でも、なんとなく私以外の女の子を守ってるとしたら、ちょっと寂しい気がした。


「それは…………、う〜ん。ちょっと……答えられないの。個人情報も関係してくるし、色々と面倒があるからね」


申し訳なさそうに答えを渋る和代さんに、私は慌てて首を振った。


「ご、ごめんなさい!ただの興味本位なので!忘れてください」

「椿ちゃん、もしかして」


和代さんはピンと来たように手を叩き、


「担当変更の申請出したの、後悔してる?」


と見透かしたように微笑んだ。


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