ボディーガードにモノ申す!
「いつもの威勢はどこに行ったんだ?」
静かに私の隣に腰を下ろし、探るように尋ねられた。
彼なりに心配してくれているらしい。
「こんな時まで威勢良かったら、本物の可愛くない女じゃない」
「まぁ、確かにな」
「それに生理痛でお腹も痛いの」
「出かけたのって、生理用品買いに行ってたんだってな」
「悪かったわね、忠告無視して」
「結果として貝山を捕まえられたから良かったよ」
「…………ねぇ、聞いてもいい?」
なんとなく恥ずかしさから正面からヤツの顔を見れなかったけれど、逃げてる場合じゃないと真山の方を振り向いた。
彼も私を見ていた。
「なに?」
「……ずっと、貝山くんをつけてたの?」
彼が怪しいと言ったあの日から、ずっと見張っていたのだろうか?
疑問に思ったので聞いてみたのだ。
少しばかり間をあけて、真山は「いや」と首を振った。
「正確には、君をつけてた。君をつけていれば自ずと犯人が現れると思ったからね。和代さんにも事情は話してたから知ってる。黙ってて悪かったよ」
「それで分かったのね、犯人は貝山くんだって」
「うん。一種の憧れだったのかもな、年上の女性への。仕事前に必ずカフェに行ってたのがパッタリ来なくなったから、痺れを切らしたんだろう」