ボディーガードにモノ申す!
すると、真山が笑いをこらえたような顔をしたまま私の後頭部に手を回した。
トン、と彼の肩に顔が埋もれる。
抱きしめてくれているらしい。
人の温もりを感じたのもかなり久しぶりで、それだけでとろけそうな気分になった。
「からかって悪かった。ちゃんと聞こえた」
「心臓に悪い冗談はやめてよね」
「肝に銘じます」
そう言って耳元で笑った彼の背中を、私もギュッと抱いた。
「杉田と一緒にライブに行くなら、ひとつ条件がある」
不意にそんなことを告げられ、困惑しながら顔を上げる。
真山はなにやら面白いことでも考えついたような、小学生のガキ大将みたいな顔でニヤついていた。
「…………条件って、なに?」
「簡単なことだよ」