ボディーガードにモノ申す!


ライブが終わり、杉田さんは私たちに気を遣って先に帰っていった。


残された私と真山は、一瞬顔を見合わせてからゆっくり歩き出す。


「これから大谷ドミソのライブに行く時は……付き合ってやってもいいよ」


真山がボソリと言い出し、そして左手でそっと私の右手を握ってきた。
あらら、手繋ぎってやつですか。


年甲斐もなくドキドキしてしまう私は、記憶を掘り起こさないと男性と手を繋いだという思い出がなかなか出てこない。
でも、なんだか心地いい。


「あれだけ最後に泣いてたらねぇ。仕方ないから誘ってあげる」

「頼むよ。……そういえば腹減ったな」

「何か食べる?」


幸い、ライブ会場から少し歩けば繁華街に出る。
飲食店は選び放題だ。


しかし真山は首を縦には振らなかった。


「いや、俺の家に来いよ」

「………………………………は?」

「俺の女子力の高い部屋に来てみろよ。整理整頓されてて住みやすいぞ。それから自分で言うのもアレだけど、うまい料理食わせてやる。デザートも作ってやろうか」


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