ボディーガードにモノ申す!


応接スペースのようなところに場所を移し、とりあえず私の名前など個人情報を所定の紙に書かされた。
同時に男性から名刺を渡される。


『ニシジマ・セキュリティー代表取締役 西島勇治』


だっ、だっ、代表取締役!?シャチョーさん!?


目をひんむいている私をよそに、西島社長はファイルラックを何回も開け閉めして、ようやく必要な書類を取り出したのか私に向き合った。


「要望の詳細をお聞かせ下さいね。まず、警護につくのは何人がいいですか?」

「1人で十分です」

「ご希望の時間帯は?」

「仕事がシフト制なので日によって違いますが、早番と遅番があります。なので大体18時半頃から20時頃までと、20時頃から21時半頃まで……かな」

「分かりました。ウチの会社は個人のお客様ですと担当性を導入してるんですが、警護人は男と女のどちらがいいですか?」

「お、女の人もいるんですかっ!?出来れば女性がいいです!」


思わず身を乗り出して目を輝かせてしまった。
まさかあのドラマみたいに、ショートカットのスタイル抜群の美人な人が守ってくれたりなんかしちゃったりして!?
妄想が膨らむ。


「あ、ダメだ〜」


ふと西島社長が思い出したかのように頭を抱え込んだ。


「ごめんね、女性陣は出払っちゃってるんだった。案外女性を希望する女の人多くてね。今空いてるのは男しかいないや。それでもいいですか?」


ズコッとずっこけそうになるのを必死に堪えた。
期待して損した!

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