ボディーガードにモノ申す!
だってボディーガードをつけているような面倒くさい女、男の人ならゴメンだと思う。
なんか裏事情でもあるんじゃないかって探られるのも嫌だし、気を遣うのも億劫だし。
相手の人のため、というよりは私のために断った。
こういうチャンスをみすみす逃しているから彼氏が出来ないのだということは分かっているのだけれど。
落ち着くまでは恋愛はいい、というのは本音だったりする。
今はあの出来事を乗り切ることでいっぱいいっぱいだから、恋愛に現を抜かしている場合なんかじゃないのだ。
2人でたっぷりデートしておいで、と清恵たちを見送った後、私はぶらりと街をうろついた。
服や靴など特に欲しいものはないし、これといって目的は無いのだけれど。
昼間なら自由に楽しく歩けるし、休みでもないとこういう機会は無い。
開放感に満ち溢れながら、ファッションビルを行ったり来たりした。
そこで、最近日本に初出店したばかりの外国発のマフィンのお店がそばにあることを思い出し、行ってみることにした。
オープンした当初はこぞってマスコミなどが詰めかけ、連日行列が出来ていた人気店だ。
雑誌やテレビでも一時期ものすごく取り上げられていて、遠目から「美味しそうだな〜」と眺めているだけだった。
たぶんいまだに列はあるだろうが、時間にはたっぷり余裕もあるし並んでみるかと足を向けた。