ボディーガードにモノ申す!
「佳織ちゃん、なんで知ってるの?」
「だって私もいたんです、あの場に。早番だったから仕事帰りに友達とあそこで飲んでたんですよ」
「全然気づかなかった〜」
「椿さんが一緒にいた人たちって、前に絡まれた人たちですよね!?オヤジ呼ばわりして笑ってた……」
「うん、そう」
見られてしまったのではシラを切るのもおかしいので、素直に認めておくことにした。
「あのあとワケあって再会して、それからちょっと交流してるの。佳織ちゃんが期待してるようなことはなにも無いからね」
「え?でも片方の人は、椿さんのこと毎日迎えに来てますよね?てっきり付き合うことになったんだと思ってました〜」
佳織ちゃん、恐るべし!
案外この子はよく見ているらしい。
前にチラッと真山を見かけた時も、「どこかで見たことがあるような……」と言っていたし。
それでピンと来たのだろう。
「付き合ってないよ。すぐまたそうやって〜」
「なんだぁ。お似合いだったのに」
「無理無理、こっちが無理だから。あんな顔してすんごい甘党でさ、シュークリームとかロールケーキ食べてるのに砂糖とミルクたっぷりのコーヒーとか飲むんだよ。信じられる?」
「うへぇ。それは凄いですね」
「パンケーキだってホイップクリームさらに増量するし、好きな食べ物は生クリームって言ってたわ」
「えー、意外!」
「カラオケで歌うのも小田和正なんだって」
「ハイトーンボイス!」