ボディーガードにモノ申す!
真山の意外性のある素顔をガンガン話していたら、ふと佳織ちゃんが口を閉じて私をじっと見つめてきた。
「椿さん……彼のこと好きなんですか?」
「ど、どうしてそうなるのよ!今の話の流れで!」
「え〜、だってなんだかんだで楽しそうなんですもん」
彼女に言われて初めて気がつく。
そんなに私、楽しそうに話していたのかしらと。
無自覚である。
そもそも生クリームが好きとかカラオケのくだりは、昨日三上くんに聞いただけなのだけれど。
佳織ちゃんに言われた何気ない指摘で、ここ一週間の自分の意識の変化を受け止めることが出来た。
「あー……でも、……うん。つまらなくは、ないのかも」
声に出したら、それは本心に変わった。
真山が嫌なヤツであるということに関しては、間違いないはずなのに。
それでもちょっと面白い人かも、と思うようになったのは大きな変化だった。
「椿さん!いよいよ干物女を卒業ですね!」
と、後輩にガッツポーズを向けられた私は、否定するのも面倒になって苦笑いするしかなかった。