ボディーガードにモノ申す!
7、 契約違反で陥落。
あれから無言電話は来なかった。
ただの間違い電話じゃないことは確かだったし、以前の番号と照らし合わせてみたけれど同じ番号だった。
ということは、あの電話は同一人物からの電話。
相手に心当たりは全く無いし、その人が私を襲ってきた人と同じ人かどうかもまだ分からないわけで。
こうやって悩むのも疲れてきて、ひたすら部屋の断捨離に集中した。
そうしてあんなに服が散乱して汚かった部屋が、少しずつ片付いていった。
ゴミ袋に着ない服や履かない靴、もう必要の無いバッグや小物も詰め込んで捨てる。
思った以上に要らないものは多かった。
あまりにもゴミ袋の数が多すぎて、たまたま出くわした隣人の杉田さんにゴミ捨てを手伝ってもらったこともあった。
彼は私の大量のゴミ袋を見て、とても驚いていた。
「大丈夫ですか?持ちますよ。引越しでもされるんですか?」
「違います違います!断捨離です〜」
「すごい量ですね」
目を丸くしている杉田さんを見て、まさか私の部屋が汚部屋だったということがバレたのかとヒヤヒヤしたものの、彼はそこには気づかずに「やっぱり販売員になると服とか有り余っちゃうんですねぇ」と感心していてホッとした。