たとえ声にならなくても、君への想いを叫ぶ。
 


「……あー、ごめん。その日は15時まで夏期講習で、夕方から……マリと、そのお祭り行く約束してるんだ」



“マリ”ちゃんは、アキが溺愛している彼女。


そんな彼女とも、アキが予備校に通うようになってからは以前と比べて会う時間も減ってしまっているらしい。


それでも仲の良い2人は、時間を作って会える時にはしっかりと会っているようで、俺達が心配するようなこともなさそうだけれど。



「えー!!じゃあ、アッキーは無理じゃん。それなら樹生は!?樹生と神輿って、すげーミスマッチだけど!!」


「俺もパス。その日、俺も祭りに客として参加する予定だから」


「えっ!?ま……まさか、女子とか!?女子と祭り行くとか言わねぇよな!?」


「……お前達以外の男と、俺が夏祭りに行くわけないだろ?」


「ちょ……っ!何、今のぉ!!樹生相手に、一瞬胸キュンしちゃったんですけど!!一瞬、樹生に惚れそうになったんですけどぉ!!でもそれって結局、女の子と行くってことじゃん裏切り者……!って感じなんですけどぉ!!」


 
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