たとえ声にならなくても、君への想いを叫ぶ。
 


言いながら、再びキィーーーと声を出したタマは、大袈裟にカーペットの上へと倒れ込んだ。


それを横目に捉えて、たった今タマに言われた言葉を思い浮かべれば、針で刺されたように痛む胸。


……自業自得。

何もかもがタマの言うとおりで、変えることのできない過去と事実の全てが、今更後悔を呼ぶ。


自分から誘ったことは無いにせよ、誘われるままに女の子と関係を持ち、決して誠実な付き合い方はしてこなかった。


それはもちろん、相手も合意の上でだ。


決して本気にならない俺と、それでもいいからと割り切っている女の子との、持ちつ持たれつの関係。


俺に対して淡い恋心を抱いているような、純粋な気持ちを持った女の子を避けてきたのは、ただ面倒くさいという思いと、罪悪感を感じるのが嫌だったから。


……本当に、自分のことながら最低だと思う。


弁解の余地もないくらいに、ただただ人として、男として最低なことをしてきた。


 
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