たとえ声にならなくても、君への想いを叫ぶ。
「……し、おり」
「(蓮司は、何もわかってない!!ば、か!!)」
「バ、バカ?バカって……俺は……っ」
「(馬鹿だよ!!蓮司は、大馬鹿っ!!だって、言って後悔するくらいなら、最初から言わなければいいのに!!)」
「……っ、」
私の言葉に眉を八の字に下げ、唇を引き結んだ蓮司。
……家が近所で、小さい頃から一緒にいた、私の唯一の幼馴染み。
声を出せていた時も、声が出なくなった時も、声が出なくなってからも。
蓮司はいつだって私の側にいてくれて、いつだって私を助けてくれた。
だからきっと、伝わる。伝わってる。
私が今、何を言いたいのかも。
私が今、何を伝えたいのかも。
だって私も─── 蓮司が今、どれだけ自分の言った言葉を後悔し、自分を責めているのか、手に取るようにわかるから。