たとえ声にならなくても、君への想いを叫ぶ。
“女の子のこと簡単に押し倒せるし、今のだって相手が栞じゃなきゃなんの躊躇もなくしてた”
“俺、こういうことに慣れてない相手とは……絶対に、しないから”
「あの幼馴染みくんの思っている通りで、女の子と遊んでたのも全部本当のこと。だから、何もかもを否定もできない俺は、酷く穢れていて(けがれていて)、純粋な栞には不釣り合いな人間だ」
─── 純粋な、私とは。
「栞に軽蔑されても仕方ないと思ってる。だから、栞が俺のことを少しでも迷惑だと思うなら……俺は大丈夫だから、正直に言ってほしい」
先輩。先輩は……何も、わかってない。
「今更、過去の行いを後悔したって遅いけど。でも全部事実で自業自得だと思ってるし、言い訳をしようとも思ってない。だから─── 」
「(……私は、)」
「え?」
「(私は、先輩が思っているような人間じゃありません)」