たとえ声にならなくても、君への想いを叫ぶ。
「(それなら、もういいです。私は、もう何も言いません)」
「……でも、」
「(だって、先輩はもう反省してるみたいだし。そもそも、それを聞いたところで今更先輩のことを軽蔑なんて出来ません。……出来そうもありません)」
「……っ、」
「(でも、約束してください)」
「約束?」
「(はい。もう、絶対にそういうことはしない、って。だって……いつか、先輩に本気で想う好きな人や、彼女が出来た時に絶対にまた後悔するから、もう二度と繰り返したらダメです)」
「……そうだね」
先輩の、その言葉を合図に私は静かに携帯をしまった。
そして、再び視線を上げた先。
視線の先の先輩は、私を見つめて何故か切なげに眉を下げたままで、思わず首を傾げてしまう。
すると、そんな私を見て今度は小さく笑みを零した先輩が、「ありがとう」と、再びそう声にしたと同時。
電車はまたもタイミング良く、私達の学校のある駅へと滑り込んだ。
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『Cosmos(コスモス)』
乙女の真心・調和