たとえ声にならなくても、君への想いを叫ぶ。
 



「いや、なんかさ、最近Twitterで話題になってて。ほら、駅向こうの高校あるじゃん?そこの生徒のことらしくて、それで俺らも人事には思えなくて話してたんだけど……」



人事には思えなくて、なんて。人事だからこそ、なんの躊躇もなく楽しそうに話題にしているんだろ?


陰口を正当化しようと必死になるなよ、みっともない。


思わず口を衝いて(ついて)出そうになった言葉を飲み込むと、差し出された携帯を無言で受け取った。



「っ、」



するとそこに並ぶのは、目を疑いたくなるくらいに悪意に満ちた言葉の羅列。


逸る気持ちを精一杯抑えながら画面をスクロールしていけば、後を追うように込み上げてきた怒りに追い越されそうになって、それを理性で必死に押し込めた。


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