たとえ声にならなくても、君への想いを叫ぶ。
 


「……この噂、いつ頃から広まってんの?」



自分でも、驚くほど冷静な声が出た。


そんな俺の様子にも気付かないらしいクラスメイトたちは、「夏休みの終わりくらいからかなぁ」なんて呑気な声を出す。


夏休みの終わり?それならもう、一ヶ月以上は経ってるってことか?



「誰が最初に言い始めたとかは、わかんないの?」


「えー、そう言われると、誰なんだろ。お前、知ってる?」


「あー、なんかほら、【飯クッチッティーニ】って奴だよ。一番リツイートされてるツイートの奴。今も定期的に、Sの噂って呟いてる」



言われるままに、そのふざけた名前の人物のツイートをタップすれば、その人物のアカウントのトップページへと飛んだ。


そこに並ぶツイートを見てみれば、おびただしい程の悪意と敵意に満ちた言葉の数々。


その不快極まる文章に、今度こそ繕い切れないほどに自分の眉間にシワが寄ったのがわかった。


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