たとえ声にならなくても、君への想いを叫ぶ。
「何も……知らないくせに……っ。噂だけを信じて、大勢で寄ってたかって攻撃する方が間違ってんだろうが!!」
「っ、」
蓮司の一声に、再びクラスメイトが押し黙る。
けれどそれは一時で、既に赤信号を渡り始めてしまった人達はその足を止めることはない。
だって、今足を止めてしまったら、自分が怪我をしてしまうかもしれない。
「し……知らねぇよ、そんなこと!実際、平塚は喋れねぇし、噂通りの部分もあんだから、俺らは噂の方を信じるのが普通だろ!!」
「大体にして、平塚だって否定しなかったし、お前らだって噂のこと否定しなかったじゃねぇか!!」
「そ、それはっ、」
「ほら!今だって、その“何も知らない”の“何も”の部分を、何一つ説明しようとしないじゃねぇか!」