たとえ声にならなくても、君への想いを叫ぶ。
 


批判、非難、否定、攻撃、飛び交う声と、いくつもの視線。


その全てに、間違っていたのは本当は自分だったのではないかと思った。


蓮司やアユちゃんに、何も言わないでいてほしいとお願いしたのは私だ。


そして、2人はその言葉通りに沈黙を貫き、私と一緒に耐えてくれていた。


私のことを、守ってくれていた。



「お前らだって、俺らの気持ち考えたことあんのかよ!?お前らこそ良い人ぶって、ただの偽善者じゃねぇか!!」


「ぎ、偽善者、なんかじゃ……っ」


「俺らばっかり悪者にしてんじゃねぇよ!!」



それなのに、今、2人を傷付けているのは私。


2人に向けられた非難の声は全て、私のせいだ。


どこまでも脳天気で間抜けな私のせいで、取り返しのつかないことになってしまった。


 
< 279 / 475 >

この作品をシェア

pagetop