たとえ声にならなくても、君への想いを叫ぶ。
 


* * *




「あ、そういえばさ。隣のクラスのサッカー部の奴が、朝、樹生と可愛い女の子が駅で話してるの見たって」



それは、進路の話が一段落したところで、不意打ち気味に放り込まれた話題だった。


アキの言葉に、今朝の出来事が頭を過ぎる。



「なんかそいつには、二人は手を繋いで電車降りてきたから、樹生、付き合ってんの?って聞かれたけど……」


「……ああー、ね」


「え!!まさか、また新しい女か!?怪しいオトモダチですか!?」


「いや?別にそういうんじゃないけど」


「普通に、友達の子?」


「んー、友達……でもないね、とりあえず」


「じゃあなんだよ、教えろよー!!!彼女持ちのアッキーに続いて、まさか樹生までリア充になるなんて許さねぇからな!!」


「あのなぁ……」


 
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