たとえ声にならなくても、君への想いを叫ぶ。
 


こんなはずじゃなかった。


こんなことになるなんて思ってもみなかったと言い訳を連ねても、もう何もかもが手遅れで。


蓮司とアユちゃん、2人のことだけでも守りたいと思っても、その術が見つからない。


向けられる、いくつもの敵意の視線と好奇の目。


囁かれる、いくつもの心ない声と言葉に、この場に立っているのもやっとだった。



「俺らは、悪くねぇよ」



─── もう、何もかもが限界だった。


今のこの状況で真っ直ぐに前を向けるほど、私は大人でもないし、強くもない。


私は大切な人さえ守れない─── ちっぽけな、臆病者だ。


 
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