たとえ声にならなくても、君への想いを叫ぶ。
(……助けて、)
心の中。声にならない声で、そう叫ぶ。
(助けて。助けて、助けて……たすけて)
決して声にはできないとわかっていても、私は心の中で、何度も何度も叫び続けた。
叫び続けることしか、できなかった。
「お前らはさ、平塚を守ってる自分たちが正義だと思ってんのかもしれねぇけど、思い上がるのも大概にしろよ」
「そうだよ。こうやって、みんなを代表してお前らに色々言うのも、かなり勇気が必要なんだから」
「大体にして、ちょっとは俺たちの迷惑も考えてから偉そうにモノを言えば、俺らだって─── 」
“ 俺らだって、少しは助けてやったのに ”
「……一人で立ち向かうこともできない奴等が、偉そうなことばっかり言うなよ」
「……っ、」
「正義、なんて。曖昧な道徳を他人に説けるほど、俺たち高校生は人間できてない」