たとえ声にならなくても、君への想いを叫ぶ。
「……くだらない、な」
ぽつり。軽蔑を含んだ声色で、言葉を零した先輩。
先輩の視線の先。
そこには、先輩だけには絶対に見られたくなかった言葉が書き殴られたままで。
胸が苦しくなって、なんとか息を吐き出した私は震える拳を胸の前で握った。
床に張り付いたままの足を動かして、そのまま黒板へと駆け寄り黒板消しを手に持つ。
そうして、もう一度震える息を吐き出して、書かれた言葉たちを消そうと腕を伸ばしたのだけれど、
「……っ、」
その手は、突然隣に立った先輩の手によって止められてしまった。