たとえ声にならなくても、君への想いを叫ぶ。
 


【先輩、蓮司から話を聞きました。学校が終わった後、会えませんか?】


【先輩、話し合いは終わりましたか?説明はしましたか?】


【先輩、今もまだ学校にいますか?先輩の授業が終わる時間に合わせて私も学校を出るので連絡をください】


【先輩、先生に全ての事情を話して、どうか私を庇わないでください】


【樹生先輩、大丈夫ですか?】



ホームルームの合間と授業の合間に、先生の目を盗んで何度も先輩へ、メッセージを送った。


鬱陶しい、迷惑だと思われてもいい。とにかく、先生のことが心配で仕方がなかった。


朝のホームルームが終わった後、本当は先輩の学校へと向かおうと思ったけれど、冷静なアユちゃんに諭されて踏み留まった私。


「闇雲に会いに行っても、あっちは男子校な上に向こうも授業中だろうし、学校には簡単に入れない。まずは樹生先輩に連絡を取ってみたら」、と。


 
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