たとえ声にならなくても、君への想いを叫ぶ。
「……っ、」
校門の前まで来ると、乱れる呼吸を必死に整えながら校舎へと目を向けた。
初めて来るそこは、当たり前だけど見渡す限り男の人ばかりで。
漂う空気もなんとなくだけれど、私の通う共学の学校とは違って、男子特有の粗雑なものを感じる。
樹生先輩のクラスは、【3−A】。
だけど、クラスはわかっても、それがどこにあるのかはさすがにわからない。
「(き、聞かなきゃ……っ)」
校門の前で立ち往生する私を、通り過ぎる学生達が物珍しそうに見ていく視線を感じながら、私は携帯をタップして勇み足に文章を綴った。