たとえ声にならなくても、君への想いを叫ぶ。
目を細め、からかう様な仕草をアユちゃんが見せると、蓮司は顔を赤く染めて声を張り上げた。
「だ……大体にしてなぁ……!カッコいいやつってのはモテるから、チャラい奴が多いんだよ!俺みたいに外見イケメンで中身もイケメンってーのは少ないの、わかる!?」
「はいはい。朝から蓮司、マジでウザイわー」
「ウザイのはどっちだよ!先に話ふってきたのは、アユだろーがっ!!」
「もうっ。一々叫ばないでよー。うるさすぎて、鼓膜破れる、ねぇ、栞?」
「(あはは、うん、)」
「はぁっ!?栞、テメェ何頷いてんだ!!今のは絶対アユだろ、悪いの!!」
「はいはい、そうですねー。栞、うるさいのはほっといて、宿題の答え合わせしよ?この間、栞に教わった方法で、予習してきたんだー」
「(うんっ!)」
「おいっ!シカトすんなよっ!」
賑やかな二人を見ていたら、朝の落ち込んだ気分はほんの少し、軽くなった。