たとえ声にならなくても、君への想いを叫ぶ。
「(ありがとう、蓮司……)」
「栞……」
「(私……決めた)」
言いながら笑顔を見せれば、一瞬驚いたような顔をした蓮司もまた、私を見て太陽のように笑う。
先輩に、今の私ができること。
大好きな先輩のために、最後にもう一つだけしたいことがある。
……伝えたい、気持ちがある。
「っ、」
舞い落ちる雪の中、空を見上げて深呼吸をした私は、その足である場所へと向かった。
巡る季節に、もう一度だけ。
どうか、あと一度だけ、先輩と私を繋いでほしいと切に願って。
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『Snowdrop(スノードロップ)』
逆境の中の希望