たとえ声にならなくても、君への想いを叫ぶ。
(……とりあえず、今日はもう寝よう)
そう思って立ち上がり灯りを消すと、ベッドの上に倒れるように身を投げた。
再び、深く吐き出した溜め息。
このまま目を閉じて眠ってしまおうか─── と。
そう思った瞬間、視線の先にいつから置きっぱなしにしていたのかわからない、携帯が目に入って思わず手を伸ばした。
「携帯とか……最後に見たの、いつだっけ……」
小さな緑色のランプの点滅しているその携帯の側面のボタンを押し、無機質な画面をタップすれば取り戻された灯りが眩しくて、思わず目を細めてしまう。
【未読10通】の表示が付いていたアプリケーションを開いて、ゆっくりと画面をスクロールしていけば、随分前のメッセージまで溜まってしまっていることにまた溜め息を吐く。
(一昨日とさっき届いた父さんからのメッセージに、アキとタマは5日前……あとは、バイトしてたコンビニの店長と……)
その全てが俺のことを気遣ってくれている内容で、今日の今日までそれに返事を返せずにいたことを申し訳なく思った。
そして、相変わらず靄の掛かった思考の中、一番古いメッセージに未読のマークが付いているのを確認して───
「っ、」
俺は思わず、滑らせていた指を止めた。