たとえ声にならなくても、君への想いを叫ぶ。
 


─── 栞。


画面に表示されている名前に当たり前に触れそうになって、慌ててその指を引いた。


栞との接触を断ってから、もうすぐ2ヶ月。


初めの頃は間隔を空けずに送られてきていたメッセージも、最近ではスッカリとその声を潜めていた。


当たり前だ。心を尽くしたメッセージを何度送っても、たった一言の返事すら返ってこないんだから。


けれど、栞が他の人間と違うところは、だからといって俺を責めるわけではないだろうということ。


普通なら返事すら返さない相手に腹を立てても可笑しくないのに、栞はきっと今頃、返事が返ってこないことさえも自分のせいだと思ってるんだろう。


……そんなことを改めて考えたら逃げ場のない罪悪感に苛まれ、胸が針で刺されたように傷んだ。


 
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