たとえ声にならなくても、君への想いを叫ぶ。
「(蓮司は、部活でしょ?大会も近いし、キャプテンが休んじゃダメです)」
もうスッカリ慣れた様子でその画面を見つめた蓮司は、半分不貞腐れた表情を浮かべて、再び私へ視線を向ける。
「……わかった。だけど、何かあったら絶対俺に言えよ?」
「(うん、わかった)」
「それと、暗いとことか絶対に一人で歩くなよ?」
「(気をつけます)」
「……絶対だぞ。破ったら、デコピンだかんな」
「(……心配してくれてありがとう、蓮司)」
最後の言葉は文字として打ち込むことはせず、口パクで蓮司に伝えた。
そうすれば、優しい笑顔を見せた蓮司の温かい手が、一度だけ私の髪に触れて離れた。