たとえ声にならなくても、君への想いを叫ぶ。
“本を探してほしい”なんて、そんなことを最後のワガママ?
単純に、その本が見つけられないから俺に探してほしいなんて、そんな馬鹿な話があるわけがない。
もしそうであれば、俺同様に図書館に通い慣れていた栞も、検索機を使ってこうして簡単にここへ辿り着けたはずだ。
それなのに、なんで栞がこんなことを言うのか───
「……あった、」
俺にはサッパリ、その意図がわからなかった。