たとえ声にならなくても、君への想いを叫ぶ。
「(……そっか。そっかぁ)」
だけど、そんなことはどうでも良かった。
初めからそうなる可能性を見越した上で、私はここに先輩への想いを残したのだから。
もちろん、先輩に想いを伝えたかったことが一番だけれど。
それ以外にもこれは私にとって、先輩との“縁”を試す、ある種の賭けだった。
─── もしかしたら、先輩以外の人の手に渡ってしまうかもしれない。
─── もしかしたら、先輩の手に渡る前に、栞とお守りが無くなってしまうかもしれない。
だけど、もしもこれで先輩の元に私の“想い”が届かなければ、所詮初めからそういうものだったのだろうと思おうと決めた。
先輩と私の縁は、所詮初めからその程度のものだったのだと諦めようと決めた。
先輩と私は、決して交わることのない道を、これからも歩いて行くのだと。
そう覚悟を決めた上で─── 私はあの日、一握りの希望に全てを託したんだ。