たとえ声にならなくても、君への想いを叫ぶ。
だけど、その全てを伝えることは出来なくて。
3ヶ月前のあの日、もしもそれを先輩に伝えてしまったら、優しい先輩のことを困らせてしまうと思ったから。
私から告白なんて受けたら、先輩のことだから罪悪感に苛まれてしまう。
受験生である先輩にとって、一番大切な時期に先輩を悩ませるなんて。
先輩の邪魔になってしまうだろうと思えば、自分の自己満足の為の告白なんて、とてもじゃないけど出来なかった。
だって私には、これ以上、樹生先輩の未来を邪魔することなんかできないから。
だからあれが─── あの時の私の精一杯であり、最大級の気持ちだった。