たとえ声にならなくても、君への想いを叫ぶ。
 



唇に人差し指をあて、小さな手から渡されたシオリを受け取り微笑めば……


その子は、膝の上で眠る彼の顔の上で広げられたままの本を見て、小さく首を傾げた。



「(ねぇねぇ。相馬先生……その本、いつも読んでるけど、今も寝ながら読むくらい好きなの?)」


「(ふふっ。さぁ、どうだろう。でも私は、この本、好きだよ?)」


「(へぇ、なんて本?)」



 
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