たとえ声にならなくても、君への想いを叫ぶ。
そんな図書委員を、私は1年生の時からずっと、“自ら”買って出ていた。
もちろん、本が好きだということも理由の一つ。
だけど、それ以上に……図書委員であれば“私でも”みんなの役に立てるから。
「危険ですので、駆け込み乗車は─── 」
(あ……!)
鳴り響くベルの音と、駅員さんのアナウンス。
私はそれに慌てて肩に掛けた鞄のひもを掴んで気合いを入れると一人、満員電車の中へと、身を投じた。