たとえ声にならなくても、君への想いを叫ぶ。
 



「─── 、」

(─── わわっ、)



まさかこんな風に目が合うとは思わず、私は慌てて視線を下へと落として俯いたけれど、後の祭りだ。


い、いけない。

満員電車では、不用意に視線を上げてはいけないらしい。



「……、」

(……、)



─── 何故なら目が合うと、非常に気まずい空気が流れるからだ。


 
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