至上最強の総長は私を愛しすぎている。~DARK NIGHT~【番外編】
「うるさいだろ?」
こんな光景を微笑ましく……というか、半ば呆れながら見ていたあたしに、落ち着いた声。
誰かと思ってみれば、それテルさんで。
「は、はあ……」
「いつもこんなんだよ」
「そ、そうなんですか……」
賑やか……というよりは、色々激しくて心臓もたなそう。
凌牙さんが足を乗せた振動で、グラスの中身なんて飛び散っちゃってる。
「でもさ、きっと飽きないから」
「……」
「たまにここに息抜きに来たらいいよ」
穏やかな笑みを浮かべるテルさんは、変わらず包容力のある、温かい人だと思った。
淋しかったあたしが、恋い焦がれた人。
はじめて、好きだと思った人。
その恋は、一瞬で散ったけれど。
テルさんみたいな人に触れたから、和希くんに恋することが出来たんだと思ってる。