至上最強の総長は私を愛しすぎている。~DARK NIGHT~【番外編】
廊下の隅に飛んで行ったプラモデルを這うようにして拾い、
「お兄ちゃんっ……」
頑張って声を張り上げると。
大人たちに囲まれてどこかへ連れて行かれるお兄ちゃんが、一瞬振り返り。
「……」
僕の目を見つめたお兄ちゃんは、グッと目を細めた。
……時々、ああいう目をするお兄ちゃん。
なんだかとても淋しそうなその目に、僕はまた、言いたいことを我慢するしかないんだ。
お兄ちゃんだって、何かを我慢している。
幼いながらにも、それくらい分かってたから。
クラスの子が、お兄ちゃんと取っ組み合いのケンカをしたって話してるのを聞いた。
……僕とお兄ちゃんには、そんな日が来るのかな……。