至上最強の総長は私を愛しすぎている。~DARK NIGHT~【番外編】

接待されまくっていた時には口をつけなかったコーヒーを一口すすったお姉ちゃんは、凌牙を見てからあたしに目を移した。


「前にも思ったけど、優月はすっかりここの住人なのね」


「……」


膝の上に揃えた手を動かせない。


ここから出るように訴えていたお姉ちゃんは、当然、あの事件の後もそう言い続けていたわけで。


今でもここにいるあたしをよく思ってるわけない。


あの事件で、その話がうやむやになっていたけれど。


和希のことが落ち着いた今。


……許されるわけない。


お姉ちゃんが、身を引き裂かれる思いで手を離したテルさんのいるこの家で、凌牙の彼女として暮らすあたしを……
< 55 / 130 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop