至上最強の総長は私を愛しすぎている。~DARK NIGHT~【番外編】
「あ……」
そして、あたしは和希を見て、目を見開いた。
「テルさんがこうしろって」
「ああ。悪くないな」
黒いスーツを身にまとい、それはいかにも法要の装いだったから。
凌牙では見慣れているけど、和希がこんな正装をしているのは初めて。
とてもじゃないけど中学生には見えず、ポカンと思わず見惚れてしまった。
「なのに優月全然普通じゃんかよ!」
お姉ちゃんこそワンピースだけど、デニムを履いたラフなあたしを見て和希が喚く。
「え、だって……」
お坊さんを呼ぶわけじゃないし、正装なんてしたことなかった。
「和希はそれでいいんだよ。立派になった姿……見せて来い」
「……わかった」
和希はその意味を理解したように、うなずいた。