至上最強の総長は私を愛しすぎている。~DARK NIGHT~【番外編】
……今はただ、抱き締めさせてあげて。
10数年のお姉ちゃんの想いを、ただ、受け止めてあげて。
「和希っ……」
何度も繰り返し呼ぶその名前は、あたし達の両親がつけてくれた名前。
生きた道が違っても、呼びたい名前はずっと変わらず。
こうして立派に大きくなってくれたことに、当時の記憶がないあたしでさえ胸がいっぱいになる。
和希は……。
なにも言葉は発しなかったけど、自分よりも小さいお姉ちゃんの肩に、そっと手を乗せていた。