至上最強の総長は私を愛しすぎている。～DARK NIGHT～【番外編】

「因縁つけられても困るから、無視して通り過ぎるよ。ほら、若菜も…

……若菜……？」


亜子があたしの手を取ろうとして。


「え、どうしたの……？」


あたしの顔を見て、驚いたような声を出す。



だって。


だって……。



「やだ、若菜が泣いてるっ！！！」


同じように、真菜もあたしを見て大声をあげた。



視界がぼやけてるから、涙が溢れてるって自覚してる。


頬が冷たいから、涙が流れてるのもわかってる。


だけどハンカチでそれを拭うこともせずに、あたしは彼を真っ直ぐに見つめていた。