~夢の雫~ 裏腹王子 笑顔の裏
そこには、一人すらりと壁によりかかっているいかにも育ちの良さそうな人がたっていた。
「なにやってんだよ、また断ったの?」
とフェルナンドがその人に声をかけると
「ん?ああ、フェルナンドか。断るもなにも話したこともない人だったよ。」
「だからって、こっぴどくふる癖は直した方がいい。そんな振り方しても告白する数がたたないのは不思議だけどさ、」
「そこまで興味ないんだよ。そんなに時間割けないさ。で、そこにいるのは誰?」
「ん?ああ、こいつ?こいつは、ファルティア侯爵のレティシーナ嬢だよ。んで、レティシーナ、こっちは、我がサイイル王国の皇太子のユーリ様だよ。」
「はじめまして。ユーリ様。レティシーナと申します。」
と一礼して述べる。
「あ、ああ、はじめまして。レティシーナ嬢。」
ぎこちなく挨拶を交わした。
「あ、そういやさ、レティシーナ。その書類って僕宛のもある?」
ユーリをそっちのけでフェルナンドが、声をかけた。
「えぇ、あるけど、ここで、渡していいの?」
「大丈夫だよ。」
「えっと、じゃあ、これを。」
「ん。ありがとう。残りも頑張ってね。」

残りの書類をかかけて、私は一礼してこの場を去った。
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