四百年の誓い
 「……今のままなら、きっとまた幹事長は私の前に現れる」


 美月姫は確信していた。


 反対されても制限されても、互いの気持ちをもう止められない二人。


 だがそれは、幹事長の意向に背く行為。


 自分の思い通りの未来の妨げとなる障害は全て取り除こうと、きっとまた幹事長は美月姫の前に現れる。


 「そんなの俺が許さない」


 優雅は美月姫を再度強く抱き締める。


 「……幹事長は私のことを許してはいない。今の関係以上のことは望めない」


 「美月姫……」


 美月姫の口から、耳にしたくない言葉がこれ以上あふれ出してこないように。


 優雅はその唇を塞ぐようにキスをした。


 触れ合っている間だけは、何も必要ない。


 互いの立場も、将来も、何もかも。
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