四百年の誓い
夜明け前の空の青
***
「こっちだ」
優雅は美月姫の手を引き、先ほどまで京と対峙していたログハウスの背後にある林に身を潜めた。
ゴルフ場向こうの森へ逃げ込めば、逃げ切れる可能性が高まるが。
森に辿り着くまでに横切るゴルフ場で、京に追いつかれるかもしれないので、すぐにログハウスの真後ろにある林へと向かった。
木がまばらに数十本伸びていて、林の隣にはまた別のログハウスが建てられている。
そこは別のグループが貸し切っているようで、まだ宴会中なのか賑やかだ。
林の木陰に二人は隠れて、今までいたログハウスの様子を窺う。
京は……?
(出てきた!)
優雅が小声で告げると、美月姫は息を殺してひたすら耐えた。
うっかり物音でも立てて、京に気付かれてしまわないように。
ほんの数秒間だったが、やたらと長く感じられた。
やがて京は、携帯電話で誰かと話をしながら管理棟のほうへと駆け足で去っていった。
再び辺りは無人に。
「今だ。ログハウスに戻ろう」
「そんな……。いくら何でも危険なのでは」
「灯台下暗し、だ。京さんも俺がまさか合鍵を持っていて、ここに舞い戻っているとは想定外なはずだ」
優雅はログハウスの合鍵を手にしていた。
「こっちだ」
優雅は美月姫の手を引き、先ほどまで京と対峙していたログハウスの背後にある林に身を潜めた。
ゴルフ場向こうの森へ逃げ込めば、逃げ切れる可能性が高まるが。
森に辿り着くまでに横切るゴルフ場で、京に追いつかれるかもしれないので、すぐにログハウスの真後ろにある林へと向かった。
木がまばらに数十本伸びていて、林の隣にはまた別のログハウスが建てられている。
そこは別のグループが貸し切っているようで、まだ宴会中なのか賑やかだ。
林の木陰に二人は隠れて、今までいたログハウスの様子を窺う。
京は……?
(出てきた!)
優雅が小声で告げると、美月姫は息を殺してひたすら耐えた。
うっかり物音でも立てて、京に気付かれてしまわないように。
ほんの数秒間だったが、やたらと長く感じられた。
やがて京は、携帯電話で誰かと話をしながら管理棟のほうへと駆け足で去っていった。
再び辺りは無人に。
「今だ。ログハウスに戻ろう」
「そんな……。いくら何でも危険なのでは」
「灯台下暗し、だ。京さんも俺がまさか合鍵を持っていて、ここに舞い戻っているとは想定外なはずだ」
優雅はログハウスの合鍵を手にしていた。