四百年の誓い
 「そうか……。俺が知らない間に、とんでもないことになっていたんだな」


 圭介はため息をついた。


 「もうあいつは、アメリカに旅立ってしまったのか?」


 「新学期は留学先の大学で迎える予定だったから、もうそろそろ……」


 「そうか……」


 駆け落ち計画を断念し、すぐに幹事長一味に発見され。


 投降する形で優雅は、幹事長の元へと戻った。


 別れの挨拶もする間もなく優雅は、東京に連れ戻されていった……。


 それから気まずくて、メールすらしていない。


 優雅のほうからも連絡がない……。


 このままもう会えないような予感もしてくる。


 (アメリカと日本に隔てられてしまえば、別れてしまったも同然……)


 圭介は美月姫をしみじみと見つめた。


 外見の印象は高校生の頃からするとかなり変わったけど、昔と変わらぬ気の強そうなまなざし。


 とはいえまだ19歳。


 家族や友達にも相談できず、今まで一人で黙って耐えてきたのだと思うだけで切なさが募る。
< 277 / 395 >

この作品をシェア

pagetop