四百年の誓い
 「丸山王国……。いつまで続くか」


 圭介は胸の奥の動揺を美月姫に悟られぬよう、窓の外の景色を眺めながらつぶやいた。


 「どういう意味ですか?」


 「今は強固な支持基盤を元に、強引な改革を進めている。だが強引すぎる改革は、間違いなく周囲との軋轢を増し、敵を増やす」


 「強力な丸山王国がそう簡単になくなるなんて、想像できません」


 「確かに今のところは、な」


 丸山王国は未来永劫続くように美月姫には思われた。


 それは優雅と生きる美月姫の将来は、許されないことを意味する。


 「でもこの先はどうなるか分からない。目先のことでやけになったりすることなく、このまま待ち続ければ状況は変わるかもしれない」


 圭介は信じていた。


 今も時折、福山冬悟と月光姫が姿を現しつつ、密かに二人を見守っている。


 彼らの加護がある以上、二人の未来はそんな暗いものではないような気がしていた。


 福山冬悟と月光姫が時を越えて二人を守り、間違った方向に運命が進んでいこうとすれば、きっと正しい道へと導いてくれる。


 たとえこの先、さらなる苦難が待ち受けていようとも。


 何者も決して二人を引き裂くことはできない。


 圭介には確固たる自信があった。
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